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じぞくのコラム Vol.6 「アリとお庭掃除」

こんにちは。大泉寺寺族寺族の奈美です。

8月になりましたね。今年はお祭りもないし、子どもたちの夏休みも短かったりと季節の感覚が薄くて、何気ない行事の1つひとつが実はとても大切なものだったのだなぁと実感しています。

季節の感覚は薄くても、雑草は生い茂るし落ち葉は落ちてきます。お寺の庭掃除をしていてずっと気になっていたことがありました。掃除した落ち葉などをまとめて集めている場所へ運ぶのですが、その時にアリが一緒に入ってきてしまいます。アリには決まった巣があるはずなのに、こんなに遠くまで来てしまって大丈夫なんだろうか。

少し前にそんな疑問に答えてくれるコラムに出会いました。

「BIG ISSUE」という冊子を知っていますか。1991年に英国ロンドンで始まった事業で、様々な事情からホームレスになった方々がこの冊子を販売し、収入を得ることができるというものです。

以前は八王子にも販売員さんがいらしたので直接購入していたのですが、最近は八王子では販売していないので出かけた先で見かけると購入していました。この数か月はコロナウイルスの影響で販売ができない場面が増えているということで、3か月の通信販売を申し込んでみました。

その中にあったのです! アリの生態について書かれたコラムが!!

385号の「池内了の市民科学メガネ」によると、実験の結果、「アリは体内に歩数を数える仕組みを備えていて、それと照らし合わせることで移動距離を推定している」と考えられるというのです。

私の予想では「嗅覚や体内方位磁針のようなものを使って、どんなに遠くに行っても元の場所に帰れる。」だったのですが、まさかの体内歩数計だったのです。

この結果だと私が箒で掃いたり遠くに運んでしまったアリたちは、移動距離を測れないということになってしまいます。ううむ。


最近この猫がお寺によく遊びに来ています。
近寄ると逃げてしまうので、ほど良い距離で眺めてはほっこりしているこの頃です。

 

「BIG ISSUE」と言えば思い出すことがあります。2011年の震災後に多摩地域の曹洞宗の青年会のみなさんの募金活動に一緒に参加させていただきました。そのときに1人の男性がポケットの中をさぐりながら歩み寄ってきて、自分には今雨風をしのげる場所があるから、少しでも力にならなきゃなと言って募金箱に数円を入れてくださったのです。美しいってこういうことを言うんだなと、今でも鮮明に覚えています。

自分にそんなことができるかな。

生きていると色んな場面で「教えてくれる人」に出会えると感じます。教えてくれるのは何か特別な肩書を持った人だけじゃないことにいつも感動しちゃいます。

ちなみに全31頁の冊子はいつもバラエティ豊かな内容で読みごたえがあります。

著名人へのインタビュー、様々な社会問題、私が毎回楽しみなのは「ホームレス人生相談×枝元なほみの悩みに効く料理」、心がほわっと暖かくなります。

NPO法人ビッグイシュー基金の共同代表でもあり料理研究家の枝元なほみさんは、以前曹洞宗の冊子「禅の友」でも連載していらしたんですよ。以前私が主催したイベントでお話ししていただいたことがあるのですが、とても熱くてとても優しくて、暖かい笑顔が印象的な方でした。

今回紹介した385号の表紙を飾るのは現在QUEENのボーカリストをしているアダム・ランバートさんです。彼はオーディション番組で準優勝をして以来自分のキャリアを積み上げるとともに、2019年には自身と同じ性的少数者の人々を支援する団体を立ち上げたのだそうです。この号を読んだ後たまたま彼のドキュメンタリーを観て以来YOU TUBEで動画を探しては、その歌声や存在感に圧倒されています。知ってはいたけれどこんなにかっこいいとは思ってなかった。もっと早く気づけばよかったけれど、きっと今がタイミングだったということにしておきます。

さて、そんな訳でアリの生態はわかったものの、箒で掃かれたり遠くに運ばれたアリはその後どうしているのかという疑問は残ったままなのでした。


久保井奈美(大泉寺寺族)
2001年に住職と結婚。
カトリックの高校を卒業後、服飾の専門学校、アルバイト、デザイン事務所を経て、現在は大泉寺でお寺の奥さんをしています。

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